行って参りました。浦辺展
まずは10時過ぎに倉敷に到着。アイビースクエアへ。
浦辺鎮太郎氏のノートなど,背景が分かる貴重な資料など,ゆっくり見ることができました。
圧巻は,浦辺鎮太郎氏の様々な作品について,いろんな大学の学生による模型が展示されていることでした!20点以上あったと思います。
一時間半くらいガッツリ堪能しました!
出口手前に「浦辺鎮太郎のことば」というのがあったので,写メ撮っちゃいました。
そのうちの一つ
「三笑主義」
施主と建築家と施工者―この三者が末長く喜び,共に手を取って笑うことを目標に泥脚佩雲するのが建築家の職分だと先輩の方々は教えて下さった。悲しい哉,現実は三笑どころか,三者の泣き合いで行かなければならない仕事が多すぎる。他の立場の者は泣き,ある立場の者は笑う。これもいけない。
「倉敷国際ホテル―二賞三笑ー」『建築雑誌』1965年8月号
深いですね。
さて,この日は13時から,第3回シンポジウム「モダンとジャパンの間」が行われますので,昼食&美観地区散策です。
第3回シンポジウム「モダンとジャパンの間」2019年11月23日(土)
〈コーディネーター・コメンテーター〉
重村力(神戸大学名誉教授)
〈パネリスト〉
竹原義二(無有建築工房主宰)
古谷誠章(早稲田大学教授・NASCA代表)
西村清是(浦辺設計代表取締役)
以下メモ
- 明治維新,法治国家の表現として西洋建築の導入
- 一方で和風伝統建築の発展
- 近代的個我,批判精神⇒モダニズム
- モダニズム建築:鉄・コンクリート・ガラス,抽象芸術の発展,民主主義・機能主義
- 工学技術+抽象美学+生活と機能
- 装飾具体の排除
- 手仕事,伝統の喪失,地方性の喪失:白いモダニズム
- もう一つのモダニズム:街並みや街割と連続,地域文化・社会のあり方を反映,伝統素材・伝統技法を活かす
- 黒と白:白壁と黒い屋根
- 白と赤:赤レンガ
- 異なるものをつなぐ対話的感性
- 960,1920(クンロク,イチクニ)
- 石井修
- 日本にはいろんな文化がやってくるが,受け止めるだけで発信先がない
- カルロ・スカルパ:新旧が渾然一体,不要な一部を取り除く
- 先人の跡を求めず,先人の求めたるものを求める
- なまこ壁
- 大陸からのもの,咀嚼,辺境の混在,マージナル,土着,辺境性
- 倉敷がなぜこんな形でのこってるか,大原さんの想い,普通はうまくいかない,地域に意思を継ぐ建築家(住んでいる人)が居るからだろうか
- 活性化しながら残す
- 大原という指揮者と多彩な演奏家たち,みんながモダンとジャパンを意識している
どの先生方のお話も大変興味深く,3時間半のシンポジウムはあっという間に終わりました。最後に,学生たちの模型製作のダイジェスト映像で締めくくられました。
帰り道,ちょうどいい時間帯で,倉敷国際ホテルが夕日に染まっていました。
浦辺鎮太郎建築展: 2019年10月26日(土)〜12月22日(土)
https://urabeten.jp/